甘口辛口

ダメな国々

2006/8/6(日) 午前 10:15
8月6日

第二次世界大戦後の世界を眺めていて、つくづく駄目な国だなと思ったのは、イスラム教諸国と南米の国々だった。別に専門的な知識に基づく印象ではなく、裏長屋の熊さん・八っさん的発想から、そう思っていたのだ。

中東のイスラム教諸国は、戦後、繰り返しイスラエルに戦争を挑んでいる。原油資源のもたらす豊かな資金をバックに、イスラム圏諸国が連合して兵を出しながら、その都度、イスラエルに完敗を喫しているのだ。反戦論者の私ですら、見ていて情けなくなるほどイスラム軍は弱いのである。

イスラム諸国は、国土の開発でもイスラエルに遅れを取っている。
イスラエルの民間航空機に乗って、パレスチナ地区にさしかかると、搭乗員が「皆さん、地上をご覧下さい。違いがよく分かるでしょう」と乗客に放送する。すると、ユダヤ人の乗客は窓から下を眺めて愉快そうに笑い出すのだそうだ。ユダヤ地区が緑の植物に埋め尽くされているのに対して、イスラム地区は荒涼たる砂漠のまま取り残されているからだ。

経済成長から取り残されている点で、南米の諸国も哀れな状態を続けて来た。
南米の多くの国々は軍事独裁政権の支配下にあり、国民の大半は貧困にあえいで立ち直りの切っ掛けすら掴めないように見えた。南米諸国の中では優等生のように見えていたアルゼンチンが破産国家になった時、誰もがこれはもう救いようがないなと感じたのだった。

私は漠然とイスラム国家が近代化しないのは、物を右から左に移して利鞘を稼ぐ隊商的商業国家からだし、南米諸国がダメなのは、国民がカトリック的世界観に安住してギャンッブルに熱中しているからだと思っていた。イスラム商人はいくら儲けても、自ら生産にタッチしようとしない。すべて、面倒なことは外国人を雇って処理させるのだ。南米の人々も長期的な見通しを持たず、所得の20%余をギャンブルで費消してケロッとしている。

しかし、速断は危険なのである。NHKのドキュメンタリー番組「格差からの脱出──ブラジル・チリ」を見ていたら、ブラジルはサトウキビからメタノールを生産する技術を核として経済的に息を吹き返しているし、チリも悪名高い軍事政権を追放して民主政権を樹立している。国民性と見えた南米人のギャンブル好きも、前途に希望を持てないことから来る憂さ晴らしに過ぎなかったのだ。

絶望するのは早すぎるのだ。希望は何時でも、どこにでも、あるのである。