甘口辛口

まじめそうな女性

2009/2/1(日) 午後 10:12


(上図は黒木メイサ  下図は真行寺君枝)

<まじめそうな女性>


テレビで倉本聡の「風のガーデン」というドラマを見ていたら、黒木メイサという女優が中井貴一の娘役になって出演していた。黒木は、きりっとした顔つきで、いかにも真面目そうな女優だった。

このドラマをずっと続けて見ているうちに、昔、この女優と顔の感じのよく似た女優がいたことを思い出した。今から20年ほど前に、パソコン通信で知り合った友人が、その女優のファンだったのである。それで、互いが所属しているフォーラム上で、私は彼とその真面目そうな面差しの女優について意見を交換したことがあった。

友人といっても、パソコンのディスプレイ上で会話しているだけの関係だから、相手がどんな性格の人間か分からない。だが、彼が聡明で誠実な中年男であることは、確かだった。それで、ああ、やっぱり真面目な男は、真面目な女を好きになるものだなと、改めて感じ入ったのだった。

しかし、どうしてもその女優の名前を思い出せない。黒木メイサには何となくハーフといった感じがあるけれども、問題の女優は純日本的な容貌だったような気がする。さて、彼女の名前は何といったけ?

私が以前から注目していたのは、真面目な男は真面目な女を好きになるという法則性についてだった。真面目な男は、セクシーな女や派手な女を嫌って、地味で真面目な女を選ぶものなのだ。作家は、作品を書くに当たって、これでは面白みがないから石部金吉のような男が多情な女を愛して波乱を巻き起こす物語を作る、奔放なカルメンに配するに生真面目なドン・ホセをもってするというように。

しかし真面目な男は、相手が太っていようが、ブスであろうが真面目な女を妻に選び、夫婦して地道な一生を送るのである。

そのうちに「風のガーデン」は終わり、どうしても名前を思い出せないでいた女優のことも忘れてしまった。そしたら、ある日、テレビのワイドショウが真行寺君枝の離婚というニュースを流していたのだ。そうだった、問題の女優の名前は「真行寺君枝」というのだった。

報道によれば、真行寺君枝は大口氏というドラマーと結婚して、苦難の道を歩んでいたらしい。インターネットで調べてみると、こんな風に出ていた。

<・・・・ 翌59年9月には大口氏が大麻所持容疑で逮捕、起訴される事件に見舞われたが、弁護側証人として出廷。「妻としての心配りが足りませんでした。離婚はいたしません」と証言するなど、気丈に振る舞った。61年には長男が誕生した。

 さらに平成3年には、大口氏が経営していた服飾会社が倒産。結婚後セーブしていた女優業を本格再開し、9年には大口氏の撮影によるヘアヌード写真集も出版し、家庭を支え続けた。

 しかし、経済的な理由から13年5月に別居し、17年に離婚。22年に及ぶ結婚生活にピリオドを打った。18年には大口氏の事業失敗のあおりを受け、真行寺も破産宣告を受けたという>

大麻所持で逮捕されたり、妻のヘアヌード写真を出版して借財の穴埋めをしたりする大口氏は、どうやらあまり実直な人物ではなかったらしい。成る程、男と女の違いはこんなところにあるのかもしれない。真面目な男は、真面目な女を選ぶが、真面目な女は少し崩れた男を選ぶのだ。

芸能界についてはあまり詳しくはないが、真面目そうな女優が遊び人タイプの男優や怪しげな「青年実業家」に引っかかって苦労する話をいくつか耳にしたことがある。

もっと視野を広げて眺めるなら、利口な男が妻を選ぶに当たって致命的な誤りを犯すことは少ないが、利口な女がインチキな男と結婚してしまう例は少なくないという現実がある。これは、いったいどうしたことだろうか。

真行寺君枝について調べたついでに、黒木メイサのことも調べたら、彼女はハーフではなかったが、クオーターだった。彼女の母は日本人、父は日本人と米国人のハーフだという。

この黒木メイサも、真面目そうな女たちと同じように、間違った男選びをして苦労することになるのだろうか?