甘口辛口

隠居の放談

2009/2/20(金) 午後 9:04
<隠居の放談{自民党ドタバタ劇」>


熊さん=中川財務相の酩酊会見には、笑ってしまったね。彼はアルコール依存症なんで、酒を飲まずにいられなかったんだろう?

隠居=アルコール依存症なのは、間違いないだろうが、問題はなぜ彼がアルコール依存症になったかということなんだ。彼は意外に繊細だと聞いたんで、久しぶりに週刊誌を買ってみたよ。

熊さん=何か、面白い特集記事が載っていたのかね?

隠居=ああ、「週刊文春」に<中川昭一「酒乱と奇行」全情報>という特集があったからだよ。もしかすると中川昭一は父親の中川一郎に似ているんじゃないかと思ったんだ。中川一郎を知っているかね?

熊さん=知らねえな。

隠居=中川一郎は政界の暴れん坊で、「北海の羆(ヒグマ)」と呼ばれていたくらいだったが、それが自殺したんだ。理由は、秘書をしていた鈴木宗男が衆院選挙に立候補すると言い出した為らしい。鈴木宗男は、中川一郎の後援会を仕切っていたから、彼が立候補したら後援会がみんな鈴木の側についてしまうと思ったんだな。

熊さん=なるほど、暴れん坊という評判とは違って、実際は小心で神経質な男だったんだね。

隠居=うん、繊細な人間は、大事な仕事の前に景気づけのため酒を飲むことが多い。実は酒を飲むのは、リラックスするためなんだ。軽い酩酊状態になれば、普段の楽な気持ちになって記者会見をしたりすることができるんだ。

熊さん=へえ、そんなもんかねえ。

隠居=時々、学校の校長が入学式なんかに、酩酊状態で挨拶して問題になることがあるが、あれも新任校長がリラックスしようとして出勤前に酒を飲みすぎたからなんだ。

熊さん=で、週刊誌には中川財務相の繊細さについて、何か書いてあったかい?

隠居=いや、短い談話が載っているだけだった。あるベテラン記者は、麻生首相と中川財務相が大胆なようでいて繊細な神経を持っている実例として、二人がメモ魔であることをあげていたよ。それ以外になかったな。

熊さん=おいらに言わせれば、二世議員はみんな揃いも揃って神経質でひ弱だね。まわりが敷いてくれたレールの上に乗って議員になったものだから、少しピンチになると、どうしたらいいか分からなくなる。アルコールに頼るのは、まだいい方だぜ。オンブにダッコで後援会の世話になっているから、後援会の旦那衆のいいなりさ。

隠居=いいところを衝いているじゃないか。二世議員が増えた自民党で目立つのは、右派が圧倒的に優勢になって来たことだ。これは何によるかといえば、二世議員がお世話になっている後援会に頭が上がらないからだよ。自民党議員の後援会に顔を連ねているのは、ほとんどすべて地方の有力者で、戦後民主主義を白眼視して来た連中だ。ひ弱な二世議員としては、彼らの機嫌を取り結ぶために右翼になるしかないんだ。

熊さん=二世議員が一生懸命後援会の機嫌を取るから、後援会員の方でも議員を我が子のように面倒を見てやる。ヘマをして議員が弱気になったりすると、後援会が我が子に対するように力づける。

隠居=うん、二世議員と後援会の間には、擬似的な親子関係が成り立っているね。一世の頃は、後援会と議員は同志的感情で結ばれていたんだがね。最近の二世議員は幼児化しているから。後援会員だけでなく、家族も背後からたえず励ましてやらないといけない。今度も中川夫人が、大臣を大声で励ましていたじゃないか。

熊さん=そう、そう、中川大臣が記者に囲まれて帰宅したら、奥さんが玄関先で亭主を迎えて、まるで弱虫の息子を声援するような調子で、「がんばれ日本一」といっいたな。きっと、奥さんは毎日亭主に向かって、「あなたは日本一よ」と暗示をかけているんだぜ。奥さんは大臣が家の中にはいるまで、「がんばれ、がんばれ」と連呼していた。運動会でビリになった息子を激励するようだったな。

隠居=週刊誌によると、文藝春秋の記者が彼のところに取材に行ったら、「天下の文藝春秋が、天下の中川昭一に取材に来たのか」と言ったそうだよ。後援会や夫人からおだてられて、大物になったような気になったんだ。

熊さん=とにかく、二世議員はダメだね。マスコミ相手に麻生批判をぶつくせに、いざとなると自民党を飛び出す勇気がない。だから、党執行部も派閥のボスも、すっかり配下の自民党議員をなめきっているよ。

隠居=昔は、「家貧にして、孝子出づ」と言ったが、自民党は今や「家富めば、ダメ息子ばかり」といった状態になっているね。「おごれる平氏は久しからず」だ。