甘口辛口

安倍首相の願い(隠居の放談

2007/9/5(水) 午後 3:36
熊─うちのカミさんが、ご隠居と同じようなことを言い始めたんで、報告に来たよ。

隠居─ほう、そりゃ是非聞きたいね。

熊─カミさんは、いままでずっと小池百合子を弁護して来たんだ。ご隠居が小池百合子をけなしていると聞いて、彼女はずいぶん怒っていたんだぜ。それが、近頃、小池百合子の発言を聞いて、彼女への評価を変えたらしいんだ。

隠居─その発言というのは何だね?

熊─そら、防衛大臣を辞めるときに「女冥利に尽きる」と言ったろう。あれが、おかしいというんだよ。彼女は、「男冥利に尽きる」という言葉をサカ手にとって、気の利いたことを言ったつもりでいるらしいが、カミさんに言わせると「男冥利に尽きる」というのは、そもそも女より男の方がすぐれているという男性優位論をバックにした言葉だというんだ。男が男にふさわしい価値あるものを獲得したり、すぐれた業績を残したりしたときに使う言葉だから、その言葉の裏には女性差別の意識が潜んでいるというんだよ。

隠居─成る程な。おカミさん、短大の国文科を出ているだけのことはあるね。

熊─それから小池百合子は、記者会見の席で、えーと、何といったっけな、そうそう、ワイ・シャツ・リターンといったろう。カミさんにいわせると、あれもおかしいと言うんだ。

隠居─ワイ・シャツ・リターンじゃなくて、アイ・シャル・リターンといったんだろう。その、どこがおかしいんだね。

熊─あれは、フィリピンを撤退するときのマッカーサーの言葉だろ。だから、日本人にとっちゃ、あまり感じのいい文句じゃない。小池百合子は、女性にとって聞きづらい「女冥利」発言をしたり、日本人にいい感じを与えないマッカーサーの言葉を引用したり、おかしなことばかり口にしているじゃないか。気取ったことを言おうとして、かえって自分の印象を悪くしている。

隠居─つまり、こざかしい女というわけだ。

熊─そう、利口ぶって、自分で墓穴を掘っているんだ。それで、カミさんは小池百合子を見限ったのさ。それから、カミさんは、ヤンキー先生のことでも、ご隠居と同じ意見になった。これまで、義家議員のファンだったんだがね。

隠居─どうしてだろう。

熊─カミさんと一緒に当選した議員が参議院に初登院するテレビを見ていたら、義家議員も姿を見せた。それを見て、カミさん、「あら」といって、おいらに、「あの鞄を見てよ」というんだ。ヤンキー先生、手に鞄を持っていたが、書類鞄にしては変な感じの代物でね、カミさんは、「あれはブランドものよ」と教えてくれた。フランスのパリから輸入されたものなんだそうだ。革製の鞄ではなくて、生地は布製に見えるが、えらく高価な鞄だそうだよ。

隠居─ふーん、ヤンキー先生、ブランドものをひけらかすその辺の有閑マダムと同じになったわけだ。

熊─他の議員は大体手ぶらで登院してきたから、彼の鞄がやけに目立った。彼は地味で真摯な教育者というイメージを与えていただけに、カミさんはがっかりしたらしいよ。

隠居─ヤンキーの生き甲斐は、自分を見せびらかすことにあるからね。その癖が、義家議員には未だ残っているんだ。

熊─でも、カミさんは安倍首相に対する評価は変えていない。改造内閣を発足させて、閣僚達と記念撮影する時の首相の表情には、自信に溢れていたと感心していたよ。

隠居─へえ、あれが自信に満ちた顔かねえ。あれは、にんまりとほくそ笑んでいる顔なんだがな。テレビのコメンテーターが、安倍首相最大の願望は首相を続けることで、それ以外に何も目的がないといっていた。彼は、とにかく首相でいたいんだよ。参院選で大敗して、首相の座を去らなければならないと思っていたら、何とか首が繋がって内閣を再発足させることが出来た。それで、ご満悦だったんだ。

熊─そうかなあ。

隠居─歴代内閣の記念写真を調べてみれば分かる。首相は、みんな責任の重さを考えて、緊張した顔をしているよ。ところが、安倍首相だけは、してやったりとほくそ笑んだ顔をしている。先日、農相の不祥事が明らかになった時、彼はどうしたらいいか分からなくなって、麻生幹事長にお伺いを立てたという。そこで麻生と与謝野官房長官が相談して農相を辞めさせたそうだが、彼は自らの無能を承知で、何が何でも首相の座にしがみついているんだ。

熊─もし、ご隠居のいうとおりだったとしたら、原因は首相の家庭にあるんじゃないかなあ。子どものいない首相の周辺には、功名心に燃えた母親と出しゃばりの奥さんがいるだけだというぜ。女二人にとって大事なことは、安倍晋三が首相でいることなんだよ。

隠居─まあ、安倍家の女達に責任があるかどうか分からないが、安倍晋三が近来にない無能・無責任な首相であることは間違いないね。こういう首相を頂いて、自民党がどうなっていくか、興味がある。