甘口辛口

日本人の幸福度は世界90位

2010/4/8(木) 午後 11:35

日本人の幸福度は世界90位


日本人が、あまり幸福ではないらしいことは、毎年の自殺者数が3万人、無縁死する人数が3万2000人という数字を見ただけで分かる。だから、スエーデンの学術機関も、日本人の幸福度を世界の90位に格付けしているのである。

では、日本人をこんなふうにしてしまった責任は誰が負うべきだろうか。これも答えは簡単明瞭、すぐ分かるのだ。長年にわたって政権を担当してきた自民党以外にはありえない。自民党はこれまで、一党支配を続けてきたのだから、ほかの誰にも責任をなすりつけるわけにはいかないのだ。

自民党の基本戦略は、大企業などの巨大組織のために有利な活動条件を整えてやることだった。その見返りとして自民党は巨大組織から票と政治資金を受け取って来た。それだけではまずいので、自民党は、時々、社会党の要求する福祉政策を小出しに実行して同党の背後にいる総評などのご機嫌を取り結んできたのである。

この自民党路線の延長線上に咲いたアダ花が小泉・竹中路線だった。小泉純一郎は税制を思い切って金持優遇主義に改め、他面では自己責任という言葉で福祉予算を切りつめて弱者を崖から蹴落とすようなことをしてきたのだった。この弱肉強食の政策によって、大企業は息を吹き返し、景気は見かけ上よくなったが、階層間の格差は目を覆いたくなるほど大きくなった。

近代国家では、国民から税金を取り、その代わりに従来個々の家庭で行っていた子供の教育や病人の看護、あるいは老人保護などを国の手で行うことにしている。国家は、そうすることで、個々の家庭の経費を節減し、社会の活力を保って来たのだ。ところが、自民党政権は近代国家なら当然国が行うべき仕事を家庭に押しつけ、福祉政策をサボってきた。国民はやむを得ず、高校の授業料やら何やらを自分で負担し、あれこれやりくりに腐心し、その結果として家族的エゴイズムを世に蔓延させてきたのである。

親たちは、将来子供の就職に有利になるように、いい学校に入れようとする。すると塾に通わせなければならない。先進国ではタダに近い教育費が日本ではやたらに上昇して、家計費を圧迫することになる。その他、リストラに備えたり、老後を心配したりで、貯蓄にも多くの収入を回さねばならない。こんな状態だから、気持ちの休まるときがない。それで、人々は過労死になる寸前のところまで頑張ることになる。これでは、日本人の幸福度が発展途上国並みのレベルまで低下するのは当然のことなのだ。

とにかく日本人の幸福度を低くしたのが、自民党政権であることに間違いはない。しかし、その自民党に政権を与え続けたのは、日本人に他ならないのである。

テレビの「たかじん委員会」が、視聴者にアンケート調査をした結果によると、「日本を悪くした10人」のトップは小沢一郎であり、日本をよくした10人のトップは小泉純一郎になっている。日本をよくしたトップが小泉純一郎とは、ただただ驚くしかない。

だが、選挙民が愚かだ、と片付けてしまっては話にならないので、次の首相を選ぶに当たっての注意点を一つあげておきたい。

中国現代史について調べていると、革命後の中国をリードした指導者たちには、離婚経験者が多いことに気づく。毛沢東は江青と結婚するまでに少なくとも二人の妻と離婚している。そして、毛と争った劉少奇も林彪も、揃って二度結婚しているのである。

離婚歴のある政治家には、不思議と冷酷な人間が多いのだ。

毛沢東、劉少奇、林彪の三人は、それぞれに冷酷な性格を隠し持っていた。毛は、紅衛兵のおかげで復権に成功したにもかかわらず、目的を達してしまうと紅衛兵たちを「下放」の名の下に、一斉に地方に追放してしまった。

スターリンは、ライバルを片っ端から粛正し、処刑している。これに比べると、毛沢東は政敵に対して血の粛清を行ったり、秘密警察を使ったりすることはなかった。けれども、いざとなると彼は表情一つ変えずに冷酷な決定を下している。劉少奇も、林彪も同様だった。

中国共産党指導者の中で、ただ一人公正で寛容な態度を保っていたのは周恩来で、彼が死んだ後で、天安門広場にあれほど多くの追悼の国民が集まったのも、彼が私欲のない慈愛の政治家だったからだ。そして彼は、その誠実な人柄を語るように、生涯一人の妻を守り通している。

省みて、わが小泉純一郎はといえば、彼にも離婚歴があるのだ。小泉と離婚したとき妻は身ごもっていたから、やがて生まれて来た男の子は小泉にとっては三男坊になる。小泉は、その三男坊が法事か何かで小泉宅を訪ねてきたときに、声もかけなかったという。この風評が本当かどうか分からないし、本当だったとしても、それにはちゃんとした理由があったかも知れない。もし、一言も息子に言葉をかけなかったというのが事実だったとしてら、これは小泉の冷血ぶりをよく語っている。当ブログの別の場所に書いておいたように、小泉純一郎は酷薄な男なのである。

今の日本で、首相候補として最も人気の高いのは桝添要一だという。私は、彼が二度離婚していることにこだわるのである。離婚した政治家には、冷たい人間が多いという経験則からだ。ボケ老人の私から見れば、この男には、他にもイヤなところがあるのである。

桝添が、寝たきりの母親を介護し続けたことには敬意を表するが、その体験を「母にムツキをあてるとき」という本にしてPRしたり、自分に引き比べて他のきょうだいの母に対する態度が冷淡過ぎると悪しざまに攻撃するところに釈然としないものを感じるのだ。

今日の新聞を読むと、自民党の谷垣総裁が党内外の要望に応えて、桝添を党の要職に就けようと電話したら、電話はつながらなかった。やがて、桝添は事務所を通して、「瞑想中なので会わない」と返答してきたという。彼の発言には、前々から人を見下すような調子があることが気になっていた。こういう人物に政治を任せたら、小泉純一郎から痛い思いをさせられたように、また苦い思いをさせられる危険性が高い。警戒が肝要なのである。

妄言多謝。