甘口辛口

女子高生の手記(その1)

2007/5/29(火) 午後 3:31

(写真は、手記の束)

女子高校で倫理社会を教えていた頃、その時々のテーマについて生徒に手記を書いて貰った。そのうちの印象的なものはノートに抜き書きしておいて授業で使い、事後にその他の手記と一緒に焼却していたが、最近、物置を整理していたら焼却を免れた一束の生徒提出物が出てきた。

その多くは四つ切りにしたわら半紙に鉛筆で書かれている。読み返してみると、なかなか面白いのだ。女子高生の手記は、別掲のホームページの方にも紹介してあるけれども(https://amidado.jpn.org/kaze/exp/supreme.html)、以下に転載するのはその増補版ということになるかもしれない。これらの手記を書いた生徒達も、いまは50代になっている。

              ・・・・・・・・・・

      題名「私の友情体験」

中学の時、先生が質問なさった。

T:友達はいますか?
S:はい
  全員が手を挙げた。

T:親友はいますか?
S:・・・・・
  二人だけが手を挙げた。二人とも、互いに顔を見交わして、確かめながら手を挙げた  けれど自信がなさそうだった。

友達がいないということは、大変みじめなものです。
いつも、心が重く、精神が滅入ってしまいます。
自分には友達がいないということを、考えないように努力します。
涙が出てきます。
大声で何か叫びたいです。
とてもむなしいのです。

でも、ただ笑いさざめいているだけの友達であってほしくないです。
別れたあとで、何か白々しい思いをするのはイヤ!
そんな時は、やけっぱちな気持ちになる。

私は中学時代に理想に近い友達を持っていた。
でも、理想的なものにするには、一歩踏み出さなければならなかった。
それが、こわかった。
せっかくの友情が壊れてしまうかもしれないから。

私の日記にこんなことが書かれていた。

「あの人は真友への道を一緒に歩いてくれるかしら。
私はこわい。
友情を育てていくのがこわい」