甘口辛口

近頃の女たち

2012/3/22(木) 午前 11:58
近頃の女たち

「新潮45」が、「女のひとり勝ち」という特集号を出していたので買って来た。この雑誌は、「中国憎し」を看板にしている右傾雑誌なので、普段は敬遠しているのだが、時々、面白い特集をするので、そんなときには購入して読んでみるのだ。

家に帰って、雑誌を開いたら、最初のページに石原慎太郎と福田和也の対談が載っていた。

そら、来た!

また、石原慎太郎がバカげた放言をしているだろうと思って、その対談を斜めに読んでみる。親は将来慎み深い人間になるようにと、「慎太郎」という名前を付けたのに、「親の心、子知らず」で、彼は人気目当ての放言業者になっている。慎太郎クンは池沢夏樹などを「子供」と呼んでいるが、夫子自身の言い草と来たら子供以前の坊やのレベルなのだから恐れ入る。

この対談を読んでいて驚かされたのは、美智子皇后が実家の家族と自由に交流できないという話だった。それで皇后の父親正田英三郎は、皇后が天皇と並んで大相撲を観覧するとき、反対側に席を取って、そこから娘を眺めているという。何しろ、正田一族は一度も宮中に召されたことがないし、皇后が実家に帰ったのはこれまでに、たった一回だけだというから呆れる。だから、正田氏は、「えらいところに嫁にやってしまったよ」とぼやいているというのだ。

特集記事に移ると、雑多な論者による雑多な発言が並んでいる。それらに目を通していて、私は面白い言葉を覚えた。

「女は、娘で生き直す」

母親は、年頃になった娘に助言し、操縦し、娘が恋愛でもすればその作戦参謀になって知恵を授ける。そうすることで、もう一度青春を再体験するのである。支配欲の強い母親は、娘を意のままに動かすことによって代理戦争を行うわけだ。

この言葉を教えてくれた小島慶子というライターは、女の世界には暗黙のヒエラルキーがあるとも書いている。「生まれつき幸運である」というヒエラルキー。

これも女の特性を鋭くえぐった名文句で、彼女らは自分が良家の令嬢であることを誇りとし、金銭面でも、家柄の点でも、仲間よりも恵まれていることを競い合っている。

小島慶子というライターに興味を感じたのでグーグルで検索してみたら、学習院女子中等科、女子高等科で学んでいる。成る程と思った。

(つづく)