甘口辛口

「霊」は存在しない

2006/8/1(火) 午後 0:17
TVを見ていると、先祖霊を口にする細木数子や、守護霊を説く江原啓之が高い視聴率を稼いでいる。今、問題になっている韓国「摂理」教団も、ぬかりなく霊なるものを宣伝に利用しているいるらしい。

わが国の「摂理」信者たちは、マンションの一室などで集会を開く際、そこに椅子を一つ用意するそうである。誰がそこに座るかといえば、教祖の霊がやってきて座るのだという。

霊を宣伝の道具に使う人間がいたら、それはすべてペテン師と見て間違いはない。霊・神・仏などという言葉で連想されるものは一切想像上の産物で、そんなものはどこにも存在しないのである。

こころみに、霊から超能力にいたるすべての超自然現象を取り外して、この世界を眺めてみよう。世界が単純な相貌を呈して来はしないか。すがすがしく清らかに見えて来はしないか。超自然的なものを一掃した世界は、清潔で、広々として、自由な気が吹き通っているではないか。すべてのものは、全体的関連のもとにあり、脇から入り込んできてこの秩序をかき乱す「霊」のような例外的存在はありえないのだ。

世界から怪しげなものを一切取り払って「事実唯真」の現実に直面したときに、人は本当の意味で宗教的な世界に参入する。イエスも釈迦も無飾の世界を見て開悟したのだった。