甘口辛口

河岸を変えよう

2010/5/6(木) 午後 10:05

  (わが庭)

河岸を変えよう


ブログを始めるときに、私はこう書いている。

「私は、そろそろ81才になる老いぼれで、『老子的アナーキスト』です。時を得顔の権力者には大いに噛みついてやろうと思っています」

ブログには、反権力の文章ばかりでなく、好きな画家や作家のことも書くつもりだったから、表題を「甘口辛口」とすることに決めた。

しかし、私はどこに行っても少数派なのである。だから、ブログを開設しても、来訪者はほとんどないだろうと予想したから、ホームページにはブログについて次のように記している。


――ブログを始めるように私に勧めたのは、小学校5年生になる孫で、こちらが生返事をしているうちに彼は委細構わず、ヤフーに申し込んで私のブログを作ってしまったのだ。そして、「背景は何色にする?」などと話しかけてくる。

「そうさな」とこちらが考えているうちに、孫はどんどん仕事を進めて、
「<一言メッセージ>は、これでいいね」と尋ねる。

彼は<一言メッセージ>という欄に、「訪問者100人を目指せ」という文字を打ち込んでいた。HPでも何でも、私の書き込んだ文章を読んでくれる人はほとんどいない。私は天下晴れての少数派なのだ。ひと月たとうが、ふた月たとうが、到底100人の訪問者がやってくるとは思えなかったから、

「オイ、オイ」と抗議した。

だが、孫は、「これで、ブログを直ぐ使えるよ」といってさっさと帰っていった。この頃の小学生のませていることは、驚くべきほどだ。

ところが、である。人気のブログに比べたら及びもつかないが、二ヶ月余で私のブログへの来訪者が2500人ほどになったので驚いてしまった。4年後の現在では、その数は22万2300人になっている。私は来訪者が10万になったときに、(これは碌なことにはならないぞ)と感じて、ブログを止めようと考えた。来訪者が増えれば、ネット・ストーカーの嫌がらせも始まるだろうし、好きなことを自由に書いていられなくなるだろうと思ったのだ。それに、私は何かに興味を持って事を始めても、3,4年もすれば飽きてきて、河岸を変える悪癖があるのである。

だが、少数派で通してきた人間にとっては、四年間で22万という数字には未練があった。もうブログを止めようと思っても、簡単に足が洗えないのだ。

そこで、こうすることにした。ブログへの書き込みは、当面、数ヶ月間は中止する。そして、書きたいことがあったら、開店休業中のホームページの方に書く。こうして、数ヶ月おきに、ブログとホームページの間を交互に行き来していたら、やがて老耄して文を綴る気もなくなるに違いない。こういう方法が、老子ふうの「自然に任す」というやり方なのはなかろうか、と。

――ということで、当ブログは暫く休むことにします。

(ホームページは https://amidado.jpn.org/kaze/exp/)。